尹 昌(いん しょう)は、冷酷非情な弘農太守劉類が、あるとき巡察に出かけ民家に宿をとっていた。平民の尹昌は、100歳近い老人だったが、劉類が巡行してくると聞いて、息子に「わしをささえて府君を迎えさせてくれ。わしは感謝を述べたいのじゃ」と言い、体を支えてもらい道端で待ち受けた。劉類は尹昌をながめやると「こんな死人を会わせるのか」と息子を叱った。劉類が弘農太守となったのは嘉平年間(249-254)のこと。